CPUグリス・放熱グリスの役割
放熱グリスには、CPUで排出される熱を効率よくCPUクーラーに伝えて排出する役目があります。英語だと、Thermal Grease(サーマルグリス)や Thermal Paste(サーマルペースト)、Thermal Compound (サーマルコンパウンド) と言います。
日本語でも、熱伝導グリスと言う呼び方をする人もいます。
IHS(インテグレーテッド・ヒート・スプレッダー)
CPUの殻と呼ばれる部分。CPUの回路を保護するのと、熱をCPUクーラーに電動するヒートシンクとしての役割がある。CPUグリスを塗布する部分のことです。CPUグリス・放熱グリスの基本
誤解しやすい部分もあるので解説しておきます。CPUグリスは極力薄く少なく
CPUグリスの主な材料は熱伝導率の高い金属などです。CPUグリスの熱伝導率は製品によって差がありますが、一般的に 5〜15 W/m・Kです。
CPUファンのベースプレートには、銅かアルミニウムが使われます。銅の熱伝導率は 403 W/m・Kです。アルミニウムの熱伝導率は 236 W/m・Kです。
IHSもアルミが使われることが多いです。
放熱グリスよりもベースプレートとIHSの方が熱電率は遥かに高いのです。
理論的には直接貼り付けた方がよく冷えるってことになります。
ただし精度の問題でそれは難しいので、CPUグリスは両社をぴったりくっつける為に必要です。
CPUは極力薄く・少なく、それでもしっかりIHS全体に伸びる量にしましょう。
CPUグリスは劣化する、定期的な交換が必要
放熱グリスには耐用年数があります。5年や8年と言った高寿命の物が開発され、一般的なパソコンだとほぼ交換不要です。ただし、塗ったときにムラがあったり、量が多いと割れて空洞ができます。こうなると正しく放熱できなくなるので、要注意です。
FPSゲームをするような高スペックゲーミングPCは、高負荷で長時間使っていると思います。
なので一般的なパソコンよりはこまめにCPUグリスを塗り替えたほうがいいです。
1年に1回か、2年に1回と言う人が多いです。
CPUグリスの塗り方
中央盛り派 と 薄塗り派 の2流派があります。それぞれポリシーがあるようですが、メリット・デメリットあるので、使い分けるのがいいです。
中央盛りのやり方と長所短所
通常は中央盛りでいいです。中央に適応のせて、CPUファンを圧着するように押し延ばします。
このやり方のメリットは、気泡が入り込まず、しっかり均等に密着させることが出来ます。
デメリットは、適量が分かり難い所です。
「小豆」「小豆」位の大きさと言われていますが、IHSの大きさとグリスの粘度によって変わっています。
薄塗りのやり方と長所短所
専用ヘラ(プラスチック製のスパチュラ)で、IHS全体に薄くのばします。その後ファンを乗せて取り付けます。昔はテレホンカードとか使ってましたが、最近の高品質のグリスはとても粘度が高く固いので、専用ヘラがいいです。
このやり方のメリットは、適量を薄く延ばせる事です。IHSの面積が大きいCPUなどに向いてます。粘度の高いグリスもこの方法が適しています。
デメリットは、完璧な均等は難しく、ムラのある塗り方になってしまうことです。気泡が入ったり、ムラからの割れの原因にもなります。
その他のやり方、クロス塗り・バッテン塗り
CPUの頂点同士を結ぶように、十字(✖の字)の線状にグリスを乗せて、CPUクーラーで押し延ばす方法です。このやり方は、大きい面積に塗るのに適しています。
ムラができやすく、気泡も入りやすいので、クーラーを押し付ける際は均等に力がかかるように注意しましょう。
CPUグリスの主な素材と熱伝導率
熱伝導率の高い金属パウダーなどを、シリコングリスに混ぜ込んだものが多いです。様々な材質が使われていて、性能にも差があります。主な材料を熱伝導率順に並べると
ナノカーボン > ダイアモンドパウダー > 銀(シルバー) > ナノアルミニウム > 酸化亜鉛 > シリコングリス
一概に熱伝導率が高い物が良いという訳ではありません。
カーボン、ダイヤモンド、シルバーは、熱伝導率は高く、耐用年数が長いです。その代わり、値段が高く、粘度が高く塗るのが難しいです。
シリコングリスは、塗るのが簡単(中央盛りで楽)、安いです。その代わり、耐用年数が短く、経年劣化しやすいです。
シリコングリスでも、年1回塗り直しすれば、ゲーミングPCでも、十分な放熱性能が期待できます。
おすすめのCPUグリス・放熱グリス
ARCTIC MX-5 (4g) スパチュラ付き
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価格:1,780円
主成分:ナノカーボン
耐用年数:8年
MX-4の粘性を下げて、塗りやすく改善した物。ほんの少しだが冷却性能も上がっている。
ARCTICは、CPUグリスの性能は、熱伝導率だけでは評価できないとし、熱伝導率を公開していません。
ARCTIC MX-4 (4g) スパチュラ付き
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価格:1,180円
主成分:ナノカーボン
耐用年数:8年
王道中の王道のサーマルグリス
冷却性能も高く、長寿命で、塗りやすい
非導電性も高く、安定性も高いので安心して使える
Thermalright TFX (2g)
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価格:1,499円
耐用年数:8年
熱伝導率:14.3 W/m・K
高性能のサーマルペースト
かなり粘度が高く、堅いので購入の際は覚悟しておこう。
苦労して塗れば、何年も放置できる安心感のある製品
AINEX(アイネックス) ダイヤモンドグリス (3g) JP-DX1
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価格:1,200円
主成分:ナノダイヤモンド、シリコン
熱伝導率:16.0 W/m・K
滞欧年数:4年
ダイアモンドなので、安定性も高く、熱伝導も最高品質レベル。
AINEXのCPUグリスといえば、シルバーが有名だが、ダイアもとても優れた性能
JunPusが開発・販売しているものです。AINEXは日本の正規代理店です。
AINEX シルバーグリス (3.5g) AS-05
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価格:1,760円
主成分:純銀
熱伝導率:9.0 W/m・K
非常に優れた性能のCPUグリスで、愛用者も多いです。ただちょっと高い。
Arctic Silver社が開発・販売しているものです。AINEXは日本の正規代理店です。
ZALMAN(ザルマン) ZM-STC9 (4g)
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価格:1,744円
主成分:ナノアルミニウム、酸化亜鉛、シリコンオイル
耐用年数:10年
熱伝導率:9.1 W/m・K
ザルマンは、CPUファンやPCケースが有名なブランド
もちろんCPUグリスもトップのクオリティです。
特にこだわりがないなら、これでいいと思うレベル
Thermal Grizzly Hydronaut (1g) GS-09
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価格:881円
熱伝導率:11.8 W/m・K
熊グリスの愛称のサーマルグリズリー
Hydronautは、シリコングリスを全く使っておらず、長期間使用してもほぼ劣化が見られないモデル
それでいてオーバークロックユーザーの様な高負荷でも安定する。
とっても固く塗るのには苦労するが、1度塗っちゃえば安心して使える。
Thermal Grizzly 液体金属 Conductonaut 1g
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価格:2,010円
主成分:スズ、ガリウム、インディウム
熱伝導率:73.0 W/m・K
粘性が非常に少ない液体状の製品
熱伝導率も非常に高く高性能だが、扱いにくい部分もあるので要注意です。
アルミを侵食するので、ヒートシンクの接地部分の素材が銅の物を使ってください。
導電性もあるので、はみ出たものはしっかり拭き取り、マザボの余計な部分に垂らさない様に注意が必要。
Corsair (コルセア) XTM50 (5g) CT-9010002-WW
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価格:1,800円
主成分:酸化亜鉛
熱伝導率:5.0 W/m・K
粘度が低く、塗布しやすいグリス。
量も多く、定期的に塗り返すのに適したCPUグリス
柔らかいといっても、ヘラがあったほうが便利なレベルの粘度です。
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価格:799円
熱伝導率:6.5 W/m・K
シルバーストーンといえば、CPUファン、PCケース、水冷キット、電源などが有名なブランド
TF01は、エントリーモデルのCPUグリスで、安くて定期的に塗り直しするユーザーには最適のCPUグリスです。
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価格:709円
熱伝導率:9.5 W/m・K
入門用で非常に安いが、熱伝導率も高く性能も申し分ない。
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価格:638円
主成分:シリコングリス
熱伝導率:3.6 W/m・K
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工場などでの使用も想定し、粘度の高い製品
モバイル や ノートPCにも安心して使えるCPUグリス
もちろんゲーミングPCでも十分な性能
安定性が高く長期間使用できる。
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Silver Stone TF01 (2g) SST-TF01
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価格:799円
熱伝導率:6.5 W/m・K
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TF01は、エントリーモデルのCPUグリスで、安くて定期的に塗り直しするユーザーには最適のCPUグリスです。
Thermalright TF4 (1.5g)
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熱伝導率:9.5 W/m・K
入門用で非常に安いが、熱伝導率も高く性能も申し分ない。
Owltech (オウルテック) スタンダードグリス (1.7g) OWL-SILG-G775
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価格:638円
主成分:シリコングリス
熱伝導率:3.6 W/m・K
業者御用達の信越化学工業さんのG775
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モバイル や ノートPCにも安心して使えるCPUグリス
もちろんゲーミングPCでも十分な性能
安定性が高く長期間使用できる。
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