ライフルとは、日本語では「小銃」と呼ばれる銃火器に分類されます。
小銃の定義は、兵士が個人 (1人) で使用するための 軍用銃のこと
ただし、英語のライフルはもう少し広い範囲をカバーしていて、猟銃などもライフルと呼ばれます。
ライフルの意味を正確に知るには語源からたどらないと混乱するので順序を追って説明していきます。
ライフルの語源
そもそもライフルは、ライフリング (rifling) から来ています。ライフリングはいわゆる 施条 (しじょう) ・ 腔綫 (こうせん) と呼ばれる バレルに施される螺旋状の溝のことです。
ライフリングの目的は、銃弾に錐もみ状の回転運動を加えることで、直進性の増す目的で施されます。射程距離も伸び、軌道も安定し、貫通力も上がります。ジャイロ効果と呼ばれ、人気マンガ 「Major」のジャイロボールをイメージしてください。
ライフリングの歴史
1498年にウィーン (現:オーストリアの首都) の ガスパール・ゾラ― (英:Gaspard Zoller) が発明された。ただし、ゾラーが発明した時点では、直線状の溝だった。当初の目的は 汚れ防止だったが、射撃精度も上がることが分かった。
最初に螺旋状の溝が発明されたのは、
1520年にニュンベルク (現:ドイツ) の アウグストゥス・コッター (Augustus Kotter) と言われている。ただし、コストの高さと弾への抵抗が大きく発射速度が遅すぎたため実用はされなかった。
1836年 ロンドン のガンスミス ウィリアムグリーナーが考案したアイデアを
1849年 フランス陸軍大尉 クロード・エティエンヌ・ミニエー が実現させた。
これが かの有名なミニエー弾 (Minie)
画像引用:wikipedia
このように、ライフリングは フランスの影響が大きいです。riflingも、フランス古語のrifler「削る、かすめる」から来ています。
脱線しました。ライフリングが施された銃火器をライフルと呼ばれるようになります。
ただし、ライフリングは大砲にも施されますし、ハンドガンにも使われる技術です。でもそれらはライフルとは言いません。
アメリカの独立戦争 (1775/4/19〜1783/9/3) で使われたライフリングを施した銃が、イギリス軍を悩ませたことに由来します。この頃から、ライフル=両手持ち・肩撃ちで1人運用する銃となりました。
ライフリングが加工されたマスケット銃が、従来のライフリングの無いマスケット銃に比べてあまりに強かったから Rifle (ライフル) と呼ばれるようになりました。歴史好きにはたまらないストーリーですね。
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